伊達の桃太郎は気前がいい  

   キビ団子を五個も六個もあげている 

「伊達の桃太郎」は今からおよそ三百年前に伊達郡保原地方で語られていた昔話です。この昔話「伊達の桃太郎」の原典は「紀桃奴事」(熊阪台州編著『含?紀事』所収、寛政4年(1792)刊)です。原典は全て漢文です。「紀桃奴事」は、当時この地方で語られていた昔話「桃太郎」を漢文表記にしたものです。
 一般に普及している「桃太郎話」では、桃太郎は桃の中から生まれ出ます。そして腰に刀を差した武者姿で鬼退治へ向かいます。しかし、「伊達の桃太郎」は、桃を食べたお爺さんとお婆さんが突然若返り、生まれた赤ん坊が桃太郎として成長していきます。そして鬼退治には武器を持たずに行きます。猿とキジと犬をお供にして鬼たちから財宝を奪って来るのは同じですが、「伊達の桃太郎」は特に気前よく、お供の猿たちにはキビ団子を5個6個ずつあげます。全国にある桃太郎昔話のなかで、伊達の桃太郎は日本一気前がいいのです。他に、鬼たちが海水を飲んで桃たろうたちの舟を引き寄せるシーンや「仙人」、「赤い色のしゃもじ」などが登場し、普及本にはない工夫が見られます。

width= width=  width= お爺さん、お婆さん、桃太郎
width= width= width= 鬼たち

 

昔話 えほん「伊達の桃太郎」


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